わが星

INTERVIEW

Interview with 柴幸男

撮影=加藤和也

Q1 『わが星』のアイデアを得たきっかけは?

タイトルが一番最初にありました。元々、『ハイパーリンくん』を作ってた時から宇宙の話で長編をやりたくなってて。で、イームズの『パワーズ・オブ・テン』とか、快快の篠田(千明)さんから借りたレイ・ブラッドベリの『火星年代記』を元にイメージを膨らませていきました。あと、以前から「団地」にも興味があって。星の一生と人の一生を重ねようという時に、迷いなく「団地に住んでる女の子」が出てきたんです。星座と、団地の明かりの並びがイメージとして重なって、団地での生活と、星の運動や状況とかに意味をリンクさせていくアイデアは、かなり早い段階で出てきたと思います。でも、中身に関しては、本当に動き出してからですね。あの舞台上の円も、全編ラップというアイデアも、フォークダンスも、みんなそうです。ずっと自分の頭の中にあったものや、調べたものがどんどん重なっていくうちに形になっていったんですね。それと、実はそれまで「一度使った手法は使わない」という自分のルールがあったんですが、それを止めて、臆さず必要なときには使ってみることにしたというのも大きかったかもしれません。

 

Q2 三浦康嗣の第一印象は?

初対面は本当に緊張しちゃってて、正直ほとんど覚えてないんです(笑)。とあるイベントで初めてお会いして、やたらと僕の作品を褒めてくれたことだけは覚えています。その後、僕らをつなげてくれた作家のふじきみつ彦さんと一緒に三浦さんのご自宅に遊びに行ったんですが、ふじきさんと三浦さんのやりとりを見ていて、思ったよりフランクな人なんだなーと。最初、お二人は大学の先輩・後輩で、フランクさはそこから来てるのかと思ってたんですが、特にそういうわけでもなく、誰にでもそうなんだということがだんだん分かってきました(笑)。

 

Q3 三浦康嗣とのやりとりの中で、一番印象深かったものは?

劇中で使用した『00:00:00』は、作曲段階から三浦さんより随時メールで送ってもらってたんですが、最初1分だった曲が2分になって、4分になって……と、稽古が進むに連れてどんどん曲ができてくる。それがうれしいと同時にプレッシャーにもなったことをよく憶えています。その時の曲は□□□のアルバム『everyday is a symphony』に収録されていますが、そのアルバムと『わが星』はまさに同時進行で、完成したと聞いた時には僕もアルバム1枚作ったような気分でした(笑)。たぶん、言葉でのやりとりはほとんどなかったんじゃないでしょうか。でも、ずーっと『00:00:00』を聴きながら戯曲を書いていたんで、特に相談しながら作ったわけではないけど、すごく「共作した」感がありましたね。

Interview with 三浦康嗣

撮影=加藤和也

Q1 『00:00:00』のアイデアを得たきっかけは?

2009年の春かなあ。新しく劇団を立ち上げて長編を第一作にするから、テーマソングを作ってほしいと言われて。それで柴君とズキュンズ(宮永琢生)と三人でウチで飲みながら打ち合わせしたんです。音楽とのコラボっていうと、普通にエンディング曲を作るとかあるけど、そうじゃなくて、どこからどこまでが音楽の作用で、芝居の作用なのか、できるだけ不明確に作り込みたいと思った。柴君とならそれができると思いましたね。それで僕の曲をパーツに分解して渡して、それを組み替えて柴君が芝居を作って、プラス、実際の公演でも自分で演奏したらいいんじゃない、って提案したんです。ちょうどそのころ『everyday is a symphony』ってアルバムを制作してて、フィールドレコーディング、つまり町のいろんな音を使って楽曲を作ることは決めていた。そのとき時報を使った曲のデモがあった。それが『00:00:00』ですね。僕は普段「こういうことが言いたい!」っていうあからさまなメッセ—ジはないし、歌詞はなんでもいいと言えばいいんですね。でもあの曲の歌詞に「星」って単語が出てくるのは、『わが星』のイメージになんとなく寄り添っていったからだと思います。

 

Q2 柴幸男の第一印象は?

『あゆみ』の招待状がうちの事務所に来てたんですけど、その時はアルバムの制作中で忙しくて観に行けなかったんです。でも、ふじきみつ彦とウチで飲んでた時に、「なんでこのチラシをお前が持ってんだ?」って話になって。彼、『あゆみ』を観てすごい良くて、柴君本人にメールしちゃったって言うんですよ。それでその後、みっちゃん(ふじき)のコントライブの時に紹介されてちょこっと会った。爽やかそうな人だなって(笑)。その時に『反復かつ連続』のDVDをもらって、そのあと友達何人かとウチで飲んでて……ってウチで飲んでるばっかですけど(笑)、酔いながら、さてさてどんなもんだろうと思ってそのDVDを観たら、これはすごいなと。その後、柴君とも飲むようになったけど、なんかすごい、シャイなんすよね。すぐ「ふじきさ〜ん、助けてくださいよ〜」って頼るし、なんでこんなナヨナヨしてるんだろって。声も高くてすぐ裏返るし。オカマなのかなって(笑)。

 

Q3 柴幸男とのやりとりの中で、一番印象深かったものは?

『わが星』以外にもいろいろ一緒にやってますけど、構造好きなところが自分とは似てるなって思いますね。ただ柴君はやっぱり芝居の人だなと思います。つまり「意味」なんですよ。音楽には音楽的なイディオムがやっぱりあって、でもその感覚に僕は飽きてて、もっと意味ありきで作りたいと思ってた。そういう意味では音楽の人より全然やりやすい。フィールドレコーディングだと、例えば信号機のピッポピッポだと都会の慌ただしさとか、時報なら倍速にすると加速感が立ち上がるとか、その音を切り刻んで再構築することで、いろんな意味のひろがりのある日常のメッセージを作れるじゃないですか。僕自身、柴君も参加してた『キレなかった14才♥りたーんず』とか、快快の銭湯でのイベントを観に行ったりする中で、なるほどね、今っぽい芝居ってこうなってるのねって気づいて、そこの感覚を音楽で表現できるのは、今のポピュラーミュージックのシーンの中では僕だけだろうと思った。そういう影響はありましたね。

このインタビューの続きは、

『わが星』OFFICIAL BOOK -TIME CAPSULE-

でお楽しみください。

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